日本の冬を代表する果物といえばみかん。冬の寒い日は、こたつでみかんを食べるイメージがあるのではないでしょうか。
手軽に食べることができるので、ときには爪が黄色くなってしまうくらい、食べ過ぎてしまうことも。
そんな、日本人にとって古くから愛されてきたなじみ深いフルーツですが、栄養面においても優秀で、近年の研究で改めてその健康効果に注目が集まっています。
今回は、そんな冬の定番フルーツともいえるみかんの、健康効果やみかんの種類、保存方法やおすすめの食べ方などについて詳しくご紹介します。
みかんはどんなフルーツ?
みかんは、ミカン科ミカン属に含まれ、冬でも葉をつけている常緑樹(じょうりょくじゅ)の果実です。
甘い柑橘ということから、漢字では「蜜柑」と表記されます。
品種にもよりますが、おおよそ12月前後が旬となり、そのままピークを迎えて3月頃まで出回ります。
日本人がよく食べる果物と知られ、日本の果物消費量ランキングでは、2004年にバナナに抜かれるまでは長年1位をキープ。現在でも常に上位にランクインしている果物です。
日本のみかんの主産地は、生産量トップの和歌山県を筆頭に、愛媛県、静岡県、熊本県、長崎県、佐賀県の6県。全国の7割のみかんが、これらの県で収穫されています。
みかんの歴史!日本で栽培されるようになったのは?
みかんの歴史は非常に古く、約3000万年前のインド・タイ・ミャンマー周辺が原産地といわれています。
そして、さまざまな種に分かれながらアジア地域にも広まり、世界で最初に栽培を始めたとされるのは、約4000年前の中国。柑橘類の、「かんきつ」の概念も中国発祥といわれており、約4000年前の中国の栽培史(橘誌)には、カンキツ品種を柑、橘、橙に分類し、その特性を詳細に記しています。
日本にはタチバナと沖縄にシークヮーサーが原生していたようですが、3世紀末の日本の様子が描かれた中国の歴史書である「魏志倭人伝」によると、食用とはされていなかったようです。
日本の文献に初めて登場するのは、約1200年前。古事記と日本書紀には、「天皇の命を受けた使者が、不老長寿の果物として中国から持ち帰ったのが橘(たちばな)」と記されており、このとき持ち込まれた「橘」が、現在のみかんの木の原形であると考えられています。
その後も、中国からキンカンやコウジ(ウスカワミカン)など、さまざまな柑橘が伝来しましたが、当時の柑橘は食用としてではなく、薬用として用いられていました。
日本でみかんの栽培が盛んになったのは、室町時代から。そして江戸時代に入り、船でみかんをたくさん運ぶことができるようになると、みかんはさらに多くの人たちに広まり、冬になると欠かかせない果物として親しまれるようになったのです。
日本原産!?温州(うんしゅう)みかんについて
一般的に「みかん」というと、収穫量の多い温州(うんしゅう)みかんのことを指すことがほとんどです。
温州みかんというのは品種名ではなく、愛媛みかんや、有田みかんなどのさまざまなみかんの総称として使用されている名前ですが、400年ほど前、突然変異によって鹿児島県で生まれた、日本原産の種無しみかんが始まりだとされています。
ちなみに、温州とは中国の有名なみかん産地で、そこにあやかり「温州みかん」と呼ばれるように。
江戸時代では、温州みかんは種が無いので縁起が悪いとして敬遠され、当時は今のみかんより小さく種のある、中国原産の紀州みかんが主流でしたが、明治時代を迎えると、その食べやすさと玉の大きさが人気となり、生産が盛んに。
その後、大きくて甘く、味の良いみかんの品種改良が積極的に進められ、九州の一部で栽培されていたのがしだいに東へ広がり、やがてみかんといえば、温州みかんのことを指すようになったのです。
温州みかんは収穫時期によって4系統ある!
私たちがスーパーなどで目にする「みかん」と書かれているものや、缶詰などに入って売られているものなど、身近に購入できるみかんのほとんどが、温州みかんです。
温州みかんは、その生育のスピードや収穫時期、熟期などから大きく4つの系統と、ハウスみかんに大別されています。
系統 | 主な品種 | 収穫時期 | 特徴 |
極早生(ごくわせ) | 宮本早生、日南1号、上野早生 | 9月~10月 | 酸味が強くスッキリした味わい。うすい青い色をしており、じょうのうが柔らかく食べやすい。 |
早生(わせ) | 宮川早生、原口早生、田口早生 | 10月~12月 | 極早生みかんより糖度が増し、甘味と酸味のバランスが良い。 |
中生(なかて) | 向山温州、愛媛中生、大津4号 | 11月~12月 | 収穫時期が遅い分、日照時間が長く糖度がより高い。御歳暮用にも人気。 |
晩生(おくて) | 青島温州、十万温州 | 11月下旬~3月中旬 | 最後に出荷するみかんで、糖度酸味ともに濃いが、じょうのうは硬い。 |
このように、収穫時期により種類が異なり、収穫時期の遅い晩生になるほど、日照時間が長くなるため糖度が高くなり、甘味が強く、そして中の袋(じょうのう)が硬くなっていくという特徴があります。
これら4種類の系統の中から、さまざまな品種のみかんが作られており、その数は100種類以上。各品種ごとに産地はもちろん、栽培方法なども違います。
また、ハウス栽培によって長い期間収穫ができるようになり、4月~9月頃にハウスみかんが流通するようになったため、1年中みかんを食べることができるように。
ハウスみかんは、甘味が濃く程よい酸味があり、ジューシーで、じょうのうは柔らかく食べやすいのが特徴です。春から夏にかけておいしいみかんが食べることができるため、高級品として扱われることが多く、お中元などの贈答品としても人気があります。
ぜひ種類ごとに食べ比べてみて、自分好みのみかんを探してみてください。
代表的なブランドみかん5種類!
多くの品種があるみかんですが、品種とは別に、各地域が品種改良を重ね、その地域を代表するようなものにはブランド名がつけられ、高値で売られています。
店頭では品種名ではなくブランド名で販売されていることが多く、よく聞き覚えのある有田みかんや、三ケ日みかんなどはまさにブランド化されたみかんなのです。
そこで、ここではおすすめのブランドみかん5種類についてご紹介します。
有田(ありだ)みかん
みかんの全国生産量の約10%をも占めている、全国的にも有名なみかんの代表的なブランドのひとつ。和歌山県の有田地域で生産されており、地域ブランドとして認定されています。
みかん栽培に適した天候、土壌条件が揃っており、450年もの栽培の歴史があります。主に10月から収穫・出荷が始まり、平均糖度が14~15度と、酸味の強い品種が出回る10月頃でも糖度が高いため、甘味の強いみかんを味わうことができます。
三ケ日(みっかび)みかん
静岡県浜松市北区三ケ日町産の温州みかん。静岡県の地域ブランドで、主に早生みかんと晩生の一種である青島みかんを栽培しています。
甘くてほどよい酸味があり、コクのある奥深い味わい。特に青島みかんは糖度が12度前後と高くなり、大きく扁平した形が特徴的です。
西宇和みかん
愛媛県内の八幡浜市や西予市で生産され、JAにしうわ管内の選果場から出荷されるみかんの総称で、地域団体商標となっています。
2018年の初競りでは1玉25,000円の価格がついたことで注目を浴び、青果業界の人も贈答品に使うほど高品質で美味しいみかんとされています。
甘味と酸味のバランスが良く、味にばらつきがないので人気があります。
夢未来みかん(河内みかん)
河内みかんの名称で全国的に有名な、JA熊本市のブランド。光センサーを通し、糖度約12度以上のものだけを厳選して出荷されています。
甘味と酸味のバランスがよく、じょうのうの部分も薄くて食べやすいのが特徴。
出島の華
長崎県で栽培されているさせぼ温州の中でも、特に高品質のものだけを厳選し、出荷している長崎みかんの統一ブランドです。
酸味が少なく糖度14度以上と非常に甘く、コクのある美味しいみかんです。
食べてみたい高級みかん3種紹介!
数あるブランドみかんのなかでも、百貨店や高級青果店などにも並ぶような、高級みかんを3種類ご紹介します。
自分へのご褒美やギフトとしてもおすすめなので、ぜひ一度試してみはいかがでしょうか。
田村みかん
有田みかんの中でもジューシーでコクがあり、トップクラスの評価を受けているのが田村みかんです。水はけのよい段々畑で栽培され、果実が水っぽくならないため糖度が上がり、高いものになると16度を超えます。
値段はサイズにもよりますが5kg1箱で6,000円~1,0000円ほど。色づきも形も良く、凝縮されたコクのある甘味を楽しむことができます。
日の丸ゴールド千両
愛媛県八幡浜市で栽培されている日の丸みかんの中でも最上級品なのがゴールド千両。平成2年には昭和天皇大賞祭に供納するみかんとして献上され、日本みかんの最高峰ともいわれています。
全面南向きの段々畑に、日の出から日の入りまで降り注ぐ太陽の光、宇和海の反射光、石垣からの反射光と3つの太陽をたっぷり浴びることで、濃厚な味わいに。
金色の豪華な箱に詰められており、皮は剥きやすく香り高いのが特徴。糖度は14度前後で甘味とともに程よい酸味があります。5kg1箱で6,000円ほど。
小太郎みかん
愛媛県八幡浜市で生産されている高級みかん。元々の品種は、糖度が高く程よい酸味のある宮川早生。大玉より小玉の方が美味しいとされており、中でもあえて小粒の外なりのみかんを厳選して育てたものが小太郎みかんです。
丁寧にひとつひとつ袋をかけて栽培され、樹の上で年を越し、じっくり完熟させてから収穫します。そのため、糖度は高いものになると15度になるものも。甘味と酸味のバランスが良く、じょうのうもより柔らかく、ほとんど皮を感じないほどです。
収穫時には袋ごと収穫し、さらに良いものだけを厳選し、1つずつ個包装して箱に詰めて出荷されます。1月中旬ごろに店頭に並び、値段は1箱12個入りで4,000円ほど。
みかんは栄養豊富!健康や美肌の効果あり?
みかんには、風邪予防や美肌効果、動脈硬化の予防など、さまざまな効果が期待できる優秀な果物です。
みかんといえばビタミンC。実際にみかんには多くのビタミンCが多く含まれており、3個ほど食べると成人1日のビタミンC必要量(100mg)を摂取することができます。
他にも多くの栄養素が含まれており、みかんに含まれている主な栄養素と期待できる健康効果は以下の通りです。
- 風邪予防…ビタミンA・C、シネフィリン、ヘスペリジン
- 整腸作用…ペクチン、セルロース
- 美肌作用…ビタミンC、クエン酸、ペクチン
- 脳卒中予防…ヘスペリジン
- 高血圧予防…カリウム
生活習慣病予防の強い味方!?β-クリプトキサンチン
また、みかんにはβ-クリプトキサンチンという栄養素が含まれていて、抗酸化力が強く美容やがん予防に効果的な成分として注目を浴びています。
β-クリプトキサンチンとは、みかんの黄色成分であるカロテノイドの一つで、カロテノイドとは、動植物に含まれる赤~黄色の天然色素のことです。
よく知られているのが、にんじんに含まれているbカロテンや、トマトに含まれているリコピンなどで、それと同じ仲間になります。
強い抗酸化作用のあるβ-クリプトキサンチンは、同じ仲間であるbカロテンに比べてはるかに強い発がん抑制効果があることがわかり、さらに骨粗しょう症や生活習慣病の予防にもなることがわかったのです。
さらにすごいのが、β-クリプトキサンチンは、他の成分と異なり2ヵ月以上もその効果が続くこと。つまり、冬の時期に食べたみかんのβ-クリプトキサンチンが、春になっても体を守ってくれるということなのです。
実際に、たくさんみかんを食べる習慣のある人は、高血圧や糖尿病、心臓病、痛風になりにくいという調査結果が出ています。これらの因果関係を明らかにするために、調査は継続して行われていますが、古くから日本人の健康維持にみかんが役立っていたことが伺えます。
みかんの袋やすじにも栄養たっぷり
みかんを食べるとき、果肉を包む袋(じょうのう)や、その表面に走る白いすじを綺麗に取って食べる方も多いですが、じょうのうやすじには、ビタミンCの吸収力を高め、毛細血管を太くしてくれる効果のあるビタミンPが含まれています。
高血圧予防にも効果があるため、苦手でない方はなるべく袋やすじごと食べてみてください。
みかんは体にいいからたくさん食べても大丈夫?
みかんが体にいいのはわかりましたが、とはいっても食べ過ぎるのは考えものです。
カロリーや栄養から考えると、1日3~4個ほどで十分。一般的なМサイズ(約120g)で55キロカロリーなので、Мサイズのみかんを5個食べると、ご飯一膳分くらいのカロリーになります。
基本的には食べ過ぎて体に害になることはほとんどありませんが、水分が多いので体を冷やしてしまったり、みかんに含まれるビタミンCの、便を柔らかくする作用により、人によっては下痢になってしまうこともあるので注意しましょう。
みかんを食べすぎて手足が黄色くなる!?
みかんを食べ過ぎたり、剥き過ぎて、手足が黄色くなったことはありませんか?これは、柑皮症(かんぴしょう)という、皮膚が黄色に変色する症状です。
これはみかんに含まれるカロテンという色素が、皮膚の表面や皮下脂肪組織に沈着するためで、特に角質の厚い手や足の裏に起こります。
健康には害はなく、みかんの摂取を控えて様子を見れば治りますが、気になる場合は食べる量を控えるようにしましょう。
美味しいみかんを選ぶポイント!
それでは、美味しいみかんを選ぶポイントについてご紹介します。
みかんは品種や時期によって多少異なりますが、
- ヘタの切り口(軸)が小さく細いもの
- 表面は黄色のものより、オレンジよりの赤みが濃い色
- 縦に丸いものより平べったいもの
- 裏側がでべそになっているもの
- 皮が薄いもの
- 表皮のツブツブのきめが細かいもの
- 手に持って、ずっしりと重いもの
の方が、甘みがあり美味しいとされています。
また、みかんには以下のようなサイズがあり、
SS・・・約60~70g
S・・・約80g
M・・・約120g
L・・・約150g
2L・・・約180g
比較的、大きいものよりも小粒のみかんの方が甘いとされ、温州みかんのおすすめはM・Sサイズです。スーパーで購入するときの参考にしてみてください。
みかんの保存方法!日持ちはどれくらい?
冬の時期が旬のみかんは、箱買いするなど、自宅でたくさん置いておくことも多いのではないでしょうか?
寒い時期なので基本的には常温保存で大丈夫ですが、箱に入れたままにしておくとカビが生えやすいので、こまめに確認することがポイント。
他にも冷凍保存やシロップ漬けにして保存する方法がありますので、参考にしてみてください。
常温保存 | 約2~4週間 |
冷蔵保存 | 約2週間 |
冷凍保存 | 約2~3か月 |
漬け保存 | 約1~2週間 |
常温保存のコツ
保存期間:約2~4週間
箱に入っているみかんは、ひとつ傷んだものがあると周囲にも痛みが広がってしまいます。まずは箱から出して平らなところへ広げ、傷んだみかんを取り出しましょう。
こたつにみかんというイメージがありますが、保存するときは暖房の効いていない冷暗所で、かごなどに入れて風通しをよくしておきましょう。
箱のまま保存するときは、底に新聞紙を置き、蓋は開けたままの状態で。みかんの量が多くて上下に重なっている場合は、ときどき上下を入れ替えてください。
また、みかんはヘタの部分が1番固く、圧力によるダメージを抑えるためにも、ヘタ側を下にして置くことが、傷みにくくさせるポイントです。
冷蔵保存のコツ
保存期間:約2週間
常温で置いておくのが心配な暖かい時期などは、冷蔵保存をしましょう。ただし、冷蔵庫に長期間置いておくと、水分が抜けたり、甘味が落ちることがあります。
冷蔵庫に保存するときは1個ずつ新聞紙などにくるみ、ヘタ側を下にしてポリ袋に入れ、野菜室で保管しましょう。
冷凍保存のコツ
保存期間:約2~3か月
みかんの量が多すぎて食べきれないときは、冷凍保存がおすすめです。
丸ごと冷凍するときは、一度水で皮を洗い、急速冷凍させましょう。また、一度冷凍したものを水にくぐらせて再度冷凍すると、中の実の乾燥を防ぐことができ、約3か月保存が可能です。
自然然解凍して食べてもいいですが、冷凍みかんとして凍ったまま美味しくいただけます。食後のデザートとしてもおすすめです。
すぐに食べれるようにしたいときは皮をむき、房ごと冷凍してください。約2か月保存ができます。
果汁をしぼって、ジップロックなどの保存袋に入れて冷凍保存することもできます。約3か月保存が可能です。
漬け保存
保存期間:約1~2週間
みかんの缶詰のようなシロップ漬けを自宅でも作ることができます。冷蔵保存で約1~2週間保存可能ですが、冷凍すれば約2か月保存することができます。
用意するもの
- みかん4個
- グラニュー糖75g
- 水200g
1.みかんの皮と薄皮をむきます。
2.鍋に水とグラニュー糖を入れ、ひと煮立ちさせてシロップを作り、常温に冷まします。
3.保存容器に1とシロップを入れ、冷蔵庫で保存します。
できたシロップ漬けを水で割り、シロップジュースに。炭酸で割るのも美味しくておすすめです。
その他
他にも、ドライみかん、みかんジャム、みかんソースなどに加工して保存する方法もあります。みかんは熱が加わると酸味がとぶため、加工するときは酸っぱいみかんを使っても大丈夫です。
手元に大量にあるときなど、好みの方法で加工して楽しんでみましょう。
もしみかんが傷んでいたら?
みかんは大量に購入することが多いため、重みで下のほうが傷んでいることがあります。カビが生えていたり、異臭がするなど、明らかに腐っているものは、食べてはいけないのがわかりますが、
- 潰れて果汁が出ている
- 触ったときに皮がズルズルとれる
- 皮の表面が溶けている
このような場合も、傷んで中身がダメになっており、カビの温床にもなるため食べないようにしましょう。
傷んだみかんが1つあると、周りのみかんも傷みやすくなるため、このようなみかんを見つけたらすぐに取り除いてください。
また、
- 皮の中に空洞があり、中身から皮が浮いている
- 皮にハリがなくパサついている
といった、皮がしなびてきているみかんは、本来の美味しさを大きく損なってはいますが、食べることはできます。そのままにしておくと、どんどん傷んでしまうので、早めに食べるようにしましょう。
みかん表面の白い粉はカビ?
みかんの表面に時々白い粉が付着しているときがありますが、これはカビや農薬ではなく、みかんの鮮度を保つために散布されたカルシウム剤。
人体に影響はないので安心してください。布で拭ったり、水に流すと簡単に落ちます。
みかんの美味しい食べ方!剥き方は?
みかんはなんといっても、包丁を使わなくても、手で皮をむいてすぐに食べれるところが魅力的。普段何気なく食べているみかんですが、剥き方や食べ方など、実にさまざまな楽しみ方があります。
みかんの皮の剥き方!有田剥きとは?
ところで皆さんは、みかんの皮を剥くときはどのように剥いていますか?
まず分かれるのが、ヘタの反対側(果頂部といいます)から指を入れて花びらになるように剥いていくのか、それともヘタ側から剥いていくのか。
これは地域や家庭などによって異なり、白いすじが苦手な方にとっては、ヘタ側から剥いたほうが、中のすじが一緒に取れやすく便利だという意見もあります。
どちらが正しいということはありませんが、それとは別に、有田剥きというおすすめの剥き方があります。
1.ヘタの反対側(果頂部)に両手の親指をぐっと差し込み、皮ごとみかんを左右に半分に割る。
2.同じようにさらに半分に割り、4分の1に分ける。
3.ヘタの方から実を剥がす。
これはみかんの産地である、和歌山県の有田地方の方が昔から剥いている方法で、皮から直接口に運べるため、手が汚れにくく、ヘタで皮がつながっているので、ゴミ捨てが楽というメリットがあります。
白い筋もほどよく取り除かれ、何よりも凄いのは、とても早くみかんを剥くことができることです。
残留農薬が気になるときは
農薬はみかんの皮に残っているため、普通に皮をむいて食べるときは心配しなくても大丈夫です。
皮を利用するときは、無農薬のみかんを使えば一番安心ですが、そうでないときは表面を優しく水で洗ったり、アルコールを含ませた脱脂綿で皮の表面をふいて、農薬やツヤ出しワックスを拭き取りましょう。
さらに心配な方は、重曹水、塩水、酢水に2~3分漬けてすり洗い、水でよく流すという方法もあります。ただし、長く漬けすぎるとみかんの栄養素も流れてしまうので注意しましょう。
焼きみかんを食べてみよう!
みかんはそのまま生で食べるのもいいですが、実は焼いて食べるのもおすすめです。温かい分、甘味も引き立ち、絶妙なおいしさに。
丸ごとオーブントースターに入れ、5~10分程度過熱すればできあがり。アルミホイルを敷いて、網やフライパンで焼いてもOKです。
皮は黒くなり、みかんも膨れ上がりますが、中身は焦げていないので大丈夫です。無農薬のみかんであれば、皮ごと食べることもできます。
お箸などで剥いて、熱いうちにいただきましょう。ジューシーでほくほくした食感は、病みつきになること間違いなしです。
みかん鍋!?丸ごと入れてインパクト大
フルーツであるみかんを鍋に入れる、驚きのみかん鍋というものがあります。山口県周防大島の名物料理と知られ、丸ごとのみかんが入ったその鍋は、見た目のインパクト大。
ですが、ゆずやかぼすなどの柑橘類が鍋に合うことを考えれば、同じ柑橘類であるみかんを使うことに不思議はありません。みかんの爽やかな香りと甘さが、魚介の臭みを消し、野菜との相性もいいのです。
家でも簡単に作ることができるので、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
用意するもの
- みかん4個
- 鍋の具材(お好み)
- だし汁600CC
- しょうゆ少々
- 薬味(お好みで)
1.みかんを3つ、丸ごとトースターで焦げ目がつく程度に焼く。もう1つは果汁をしぼる。
2.鍋にだし汁としぼったみかん果汁を入れて火にかけ、具材を食べやすい大きさに切り、焼きみかんと一緒に入れる。
3.醤油で味をととのえ、柚子胡椒や七味唐辛子などの薬味をお好みでつけて食べる。
山口県周防大島のみかん鍋には、丸ごと焼きみかん、地魚のつみれが入り、柚子胡椒ならぬみかん胡椒が添えられています。
自宅で作るときもお鍋の具材のおすすめは、やはり魚のつみれを使った魚介鍋ですが、豚肉や鶏肉などを使ってもおいしくいただくことができるので、好きな具材で楽しんでください。
焼きみかんも、皮のまま丸ごと鍋に入れるのに抵抗がある方は、皮を剥いて焼いたみかんを入れてもOK。輪切りにして入れると、見た目も可愛くなっておすすめです。
みかんジュースを飲んでみよう
みかんは家で大量ストックの機会が多いからこそ、普段は中々できない、贅沢なフレッシュジュースとして楽しむことができます。
皮を剥いたみかんをブレンダーやミキサーで混ぜればできあがり。袋やすじの食感が気になる方はザルやガーゼなどを使ってこしてください。
お好みで砂糖やはちみつ、牛乳を加えて飲みやすくしたり、バナナなどと混ぜてトロピカルジュースにするなど、自分流のアレンジを見つけてみてください。
買ってからもみかんを甘くすることができる?
酸味があるのもみかんのいいところですが、甘いみかんの方が好き、どうしてもみかんの酸味が苦手という方に、食べる前にできるみかんを甘くする方法についてご紹介します。
柑橘類を美味しくする予措(よそ)とは?
予措(よそ)という、色々な柑橘類を美味しくする方法があります。収穫してからすぐに食べるのではなく、日の当たらない涼しくて風通しのよいところに数日置いておきます。
すると、酸味が少しずつ抜けていき、酸味と甘みのバランスがとれて食べやすくなるのです。
あまり日持ちのしない、極早生や早生などは適していませんが、みかんはしなびてきたくらいが丁度いいともいわれていますので、同じみかんでも、すぐに食べるときと、数日置いておいてから食べるとどう違うのか比べてみるのもおもしろいです。
ただし、予措は基本的に出荷される前に行われているため、自宅でも数日置くかどうかはよく判断してください。
食べる前にすこしだけ甘くする方法
みかんの酸味は衝撃に弱いという特性を利用して、みかんを食べる前に少しもんだり、上に投げてキャッチするを数回繰り返すと甘くなります。
また、温めると酵素が働いて酸味を分解してくれるため、40℃前後のお湯につけるのも甘くする方法の一つです。温かいまま食べるか、冷やしてから食べるかはお好みで。
最後は、皮を剥いてから少し放置する方法。皮がなくなり、実が直に空気に触れるので、酸味が抜けていきます。
みかんの皮は捨てずに活用!入浴剤や洗剤にも
捨ててしまうことが多いみかんの皮ですが、皮にもたくさんの栄養があり、食物繊維もたっぷり、アンチエイジングに効果的なポリフェールの一種が豊富に含まれています。
無農薬のみかんが手に入ったときは、ぜひ皮ごと食べてみてください。皮に含まれる適度な渋みが加り、意外とおいしいです。
また、皮を乾燥させたものを陳皮(ちんぴ)といい、漢方薬として使われ、風邪予防や血流改善、整腸作用やリラックス効果などがあるといわれています。七味唐辛子の材料としても使われています。
食べ終わったら皮をザルや網に広げ、日陰でカラカラになるまで干せばできるので、ぜひ活用してみてください。陳皮を手作りする際は、できるだけノーワックス・無農薬のみかんを選びましょう。
陳皮を料理やお茶に使う
陳皮ができたら、さっそく料理に使ってみてください。細かく刻んで煮物やお菓子作りの香りづけとして使うことができます。
そして陳皮を入れてお湯を注ぐと、ほんのりみかんの風味が漂う陳皮茶に。はちみつなどを加えるとまろやかな味になります。体がとても温まります。
入浴剤に
陳皮をネットなどに入れてお風呂に入れると、血行促進や肩こり改善効果のある入浴剤に。みかん独特のさわやかな香りでリラックスできます。
陳皮にするのが面倒な時は、食べ残しのみかんの皮を袋に入れて、そのまま湯船に入れてもOK。ズボラな人は、そのままお風呂でみかんを剥いて、食べながらみかん風呂を楽しんでしまうのもアリです。
消臭や掃除に活用
みかんの皮にみかんの皮に含まれている、クエン酸・リモネン・ペクチンは、除菌消臭効果や、油汚れ、水垢などを落とす効果があります。
そのため、陳皮を布などでくるみ、玄関などニオイの気になる場所に置くと消臭剤代わりに。皮を煮て、冷ました煮汁は、キッチンの油汚れを落とす洗剤に。スプレーボトルなどに入れて使うと便利です。
魚などの嫌なニオイが手についてしまったときは、みかんの皮を手でこすりながら洗うとニオイを和らげてくれます。
魚を焼く前のグリルの受け皿に水を張り、みかんの皮をちぎって入れておくと、魚の臭いがつきにくくなり、汚れも落ちやすくなるのでおすすめです。
また、みかんの皮を耐熱容器に入れて、電子レンジで30秒ほどチンすると、レンジ庫内の汚れをゆるませ、レンジ掃除が簡単に。温めたみかんの皮そのものを使って汚れをこすったり、スポンジやふきんなどで拭き取りましょう。
みかんのいい香りが庫内に広がり、消臭効果も抜群。臭いの残る料理を使った後もぜひ活用してください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。身近なみかんにも、さまざまな種類や、食べ方があるのです。
ぜひ色々なみかんを食べ比べて、あなたのお気に入りを見つけてみてください。そして食べ終わったら皮は捨ててしまわずに、余すことなく活用してくださいね。