初夏のフルーツといえばびわ。昔は庭先にもよく植えられていた身近なフルーツでしたが、近年では見かけることが少なくなり、若い人にとっては珍しいフルーツとして認識されることも。
そこで今回は、びわの栄養価や食べ方、保存方法やレシピなど、びわについて詳しくまとめてみました!
色合いも良く、季節感のあるびわを、ぜひ楽しんでみてください。
びわってどんなフルーツ?
びわは、バラ科ビワ属の常緑高木に分類され、漢字で「枇杷」と書きます。名前の由来は、楽器の琵琶(びわ)に果実の形が似ていることから付けられました。
繊細な色合いと味わいから、和のイメージが強く感じられるフルーツで、さわやかな甘みと、ほのかな酸味があるのが特徴的。
無農薬でつくれる家庭向きの果樹なので、一昔前までは多くの家庭の庭先で見かける身近なフルーツでしたが、近年は、贈答用などに人気のある高級フルーツとして扱われています。
旬は5~6月。初夏を感じさせる季節感のあるフルーツですが、最近ではハウス栽培も盛んで、1月ごろから早生種(わせしゅ)が出回っています。
主な産地は長崎県、千葉県、香川県、愛媛県。全国1位の収穫量を誇る長崎県では、江戸時代から栽培が行われており、県の名産品となっています。
びわの歴史!日本で栽培が始まったのはいつ?
びわの原産は中国南西部で、6世紀頃にはすでに栽培が行われていたとされており、日本にも野生種が自生していたといわれています。
古来より、びわの木にはさまざまな薬効があることで知られており、古い仏教経典では「大薬王樹(だいやくおうじゅ)」という名で紹介されています。
約1500年前の奈良時代に、びわの葉療法が中国の僧医によって日本に伝わり、730年頃、聖武天皇の后の光明皇后が、病気になっても貧しくて満足な手当てのできない人々を、びわの葉療法によって救済する施薬院(やくいん/せやくいん)を作ったとされています。
このように、最初は薬用として用いられていたびわですが、食用として日本で栽培が始まったのは江戸時代の中期頃。
宝暦元年(1751年)に、現在でもびわの生産が盛んで、皇室献上枇杷を生産している千葉県の富浦で栽培がスタートしたといわれています。だたし、その頃の果実は小ぶりで、主に江戸に出荷されていました。
その後、江戸時代の末期に、唯一の貿易港であった長崎に中国の品種「唐枇杷」が持ち込まれたことにより、長崎市茂木(もぎ)町で現代のびわ品種の祖先となる「茂木びわ」が作り出され、現在のような大玉のびわが本格的に栽培されるようになったといわれています。
びわの品種には何がある?相場は?高級品種や珍しい品種も
びわにはさまざまな品種があり、現在も新しい品種が開発され続けていますが、ルーツとなっているのは「茂木」「田中」「楠」の3品種。
そして、産地ごとの代表的な品種には、長崎県や鹿児島県、香川県などで生産される「茂木(もぎ)」、四国や千葉、兵庫では「田中」、千葉県富浦では「大房(おおふさ)」があります。
昔はかなり低価格で販売されていたびわですが、最近のびわはスーパーで購入できる家庭用のものでも1個70~100円程度と、割と高値で販売されています。
贈答用はサイズも大きく、箱に1粒ずつ入っているものが多いですが、1個300~500円とまさに高級品。
また、びわは他のフルーツと比較して、種が大きく食べにくいというイメージがありますが、希少な種なし品種も開発されています。
茂木(もぎ)
日本でもっとも栽培の多い、びわの代表的な品種です。江戸時代に中国商船から長崎へ持ち込まれた中国原産の「唐枇杷」の種子を、女中奉公していた三浦シヲさんが長崎通詞からもらい、茂木町の自宅の庭にまいたのが始まりだといわれています。
その後、結実した果実が大きく、品質がとても優れていることから、茂木地方をはじめとして、西日本で広く栽培されるようになりました。
果重は40g程度で、甘味はやや強めで酸味は控えめ。主な産地は長崎県や鹿児島県、香川県。
田中
茂木に次いで栽培の多い品種です。1879年(明治12年)頃に植物学者である田中氏が、長崎県で食べたびわの種を東京に持ち帰り、自宅にまいて育成したのが始まりとされています。
果重は60~80g程度と茂木より少し大きめで、果実は釣り鐘形。適度な酸味に甘味は強く、バランスのとれた味わい。
主に愛媛県や千葉県や香川県、兵庫県などで栽培されています。
楠(くすのき)
明治時代前期、高知県の医師・楠正興が東京から帰る船中でびわを出され、種を持ち帰って育てたものです。
果重は50g前後と小さめで、果肉はやわらかく酸味は控えめ。主な産地は千葉県で、田中の前に出荷できる品種として栽培されていましたが、実が小さく寒さにも弱いため、現在ではほとんど生産されていません。
大房(おおふさ)
びわ栽培が盛んな千葉県の富浦町で多く生産されている品種で「田中」と「楠」を交配させてできたものです。寒さに強く樹が丈夫なため、「びわ栽培の北限」といわれている千葉でもよく育ちます。
果重は70~80gと大きく、100g前後になるものもあり、果皮が濃いオレンジ色で美しく、果汁が多いのが特徴的。糖度が低めですが酸味が少ないため、ほどよい甘みを感じることができます。
長崎早生(ながさきわせ)
長崎県で生まれ、1976年(昭和51年)に登録された早生品種の代表。寒さに弱いためハウス栽培されることが多く、早いものは1月頃に出荷され、露地ものに比べると2か月ほど早く店頭に並びます。
果重は40~60g程でみずみずしくジューシー。糖度は比較的高めで、上品な甘さが広がります。
主な産地は長崎県と鹿児島県。
なつたより
なつたよりは長崎県果樹試験場で育成され、2009年(平成21年)に品種登録されたびわです。
サイズが60g前後と大きいのが特徴で、甘味は強めで酸味は控えめ。果肉はやわらかくジューシーで、上品な風味が楽しめます。
収穫時期は5月下旬~5月上旬頃。主な産地は長崎県、千葉県。
瑞穂(みずほ)
1936年(昭和11年)に誕生した「楠」と「田中」の交雑品種。果重は100g前後と大きく、皮は淡いオレンジ色。薄い緑色の小さな斑点が出ることもあります。
ほどよい甘味と適度な酸味があり、大きくておいしいため、近年は栽培する人が増えつつあります。主産地は千葉県です。
皇室献上品!房州(ぼうしゅう)びわ
千葉県の南房総地域で栽培されているびわのブランドです。明治42年から皇室へ毎年献上している皇室献上品として有名で、みずみずしく、肉厚たっぷりな大粒の果実が特徴。
大きさにもよりますが、1個300円前後から、大きいサイズは1個500円近くする高級品。粒が大きく見栄えが良いため、お中元等の贈答用として人気がある上、旬は5~6月下旬頃までのわずか2か月足らずなので、すぐに完売してしまいます。
絶妙な甘さと酸味で一度食べたらやみつきになるといわれている房州びわ。ぜひ一度味わってみてはいかがでしょうか。
種なしのびわ!希房(きぼう)
千葉県農林総合研究センターが開発し、2006年に品種登録された世界初の種なしびわ。
果実は大きく、やや縦長で、果肉は肉厚。真ん中に種はなく、星形の空洞になっているため、皮を剥いたらそのまま丸ごとかじることができます。
価格は6~8個で3000円前後と希少で高級なものとなっています。
びわはどんな栄養素があるの?葉っぱにも効果あり?
びわは、βカロテンやβクリプトキサンチンが多く含まれています。これらは体内でビタミンAに変わり、髪の健康維持や視力維持、皮膚や粘膜、消化器官などを正常に保つ働きがあります。
また、ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸も含まれています。クロロゲン酸は、がん予防やインフルエンザの予防に効果があると注目されている成分です。
他にも、
- ビタミンC・・・美肌効果、風邪予防
- カリウム・・・むくみ解消
- クエン酸・・・疲労回復
- 鉄分・・・貧血予防
などが含まれており、健康や美容に効果のあるさまざまな栄養素がバランスよく詰まっているフルーツといえます。
また、びわは果実だけなく、びわの葉も古くから薬用として利用されています。
風邪予防や咳止めに
びわは、咳が止まらないときや、熱があってのどが渇くときに食べると効果的。激しい咳には、砂糖を加えて煮詰めたものを飲むのがおすすめです。
びわのシロップ煮は普通のデザートとしてもおいしいので、風邪予防も兼ねて食べてみてください。
高血圧やむくみ対策に!生活習慣病やダイエットにも
びわは約90%が水分で、カリウムやポリフェノールを多く含んでいます。そのため、血圧やむくみが気になる方にとって効果的なフルーツです。
また、ぶどうの巨峰と同じくらい含まれているポリフェノールは、生活習慣病にも効果的。特にクロロゲン酸は脂肪を燃焼させる効果があるとされており、カロリーも100gあたり12kcal。
1個あたり約4kcal前後とヘルシーで、ダイエット中の方でも美味しく食べれるフルーツとなっています。
肌荒れやアンチエイジングにも効果的
びわは、体内でビタミンAに変換されるβカロテンやβクリプトキサンチンに加え、ビタミンCも含んでいて、ビタミンAとの相乗効果で肌のトラブルにも効果的。
また、クロロゲン酸には強い抗酸化作用があり、活性酸素を除去して細胞の老化を抑えてくれ、まさに、女性に嬉しい美肌効果や、アンチエイジング効果が期待できるフルーツなのです。
びわは葉っぱにも健康効果が!?
びわは、古くから果実だけでなく葉(枇杷葉:びわよう)も薬として利用されていました。
びわの葉には、ブドウ糖、ショ糖、果糖、タンニンなどが含まれ、痰を除いたり、胃を丈夫にしたり、体の余分な水分を排泄したりする作用があり、辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)という漢方処方にも配合されています。
また、民間でも幅広く利用されており、びわの葉を煎じた汁を皮膚炎やあせもに湿布したり、浴用剤として用いられています。
簡単なのは、びわの葉をキレイに洗って適当に刻み、それを鍋で15分ほど煮だしたエキスをお風呂に入れる方法。お湯がまろやかになり、体の芯からぽかぽかに。
江戸時代には、びわの葉に霍(かっこう)、木香(もっこう)、呉茱萸(ごしゅゆ)、肉桂(にっけい)、甘草(かんぞう)、莪朮(がじゅつ)の7つの生薬を配合した「琵琶葉湯(びわようとう)」が暑気払いの飲み物として人気があったとされています。
その高い薬効効果から、びわの葉を使った温灸や薬用酒、化粧水など、びわの葉を使った健康・美容商品も多く販売されているのです。
びわの種には注意しよう!
びわの種には、シアン化合物の一種「アミグダリン」という物質が多く含まれています。
これが健康に良く、がん予防に効果的と多くの書籍やネット上で紹介されていますが、アミグダリンの有効性に関する情報について、科学的に十分な根拠はありません。
それどころか、アミグダリンが体内で非常に強い毒性をもつ青酸を発生させる恐れがあり、農水省は「健康への悪影響が懸念されている」として、びわの種を食べないよう注意喚起する文書を公表しています。
青酸は、一度に大量にとると、頭痛、めまい、悪心、おうとなどの中毒症状を起こし、場合によってはけいれんや呼吸困難になり、死に至ることもあります。
びわの種を単純に乾燥・粉末にした食品では、シアン化合物はほとんど分解せずに残っている可能性があり、びわの種子を粉末にした食品から有害物質が高い濃度で検出され、製品が回収される事案も複数ありました。
現在では、農林水産省は都道府県や関係団体を通じ、びわの種子を原料とする食品の製造者や関係者に対し、自主検査を行い、安全な食品を提供するよう指導しているため、製造者等による検査により適量であることが確認されていれば、安全に食べることができます。
そのため、気を付ける必要があるのは、びわの種を使った家庭料理などです。現時点では、びわの種子を使った料理を食べたことによる健康被害の報告はありませんが、レシピによっては高濃度のシアン化合物が含まれる可能性があるため、食べる場合は量や使い方に注意しましょう。
このアミグダリンは、果実や葉にも多少含まれますが、わずかなため健康への影響はほとんどありません。ただし、自家製のびわの葉茶などは、普通に飲む分には大丈夫ですが、一度に多量に飲んだり、濃くして飲むなどはしないようにした方が安心です。
美味しいびわを選ぶポイント!食べ頃はいつ?
びわは長期保存ができない、傷みやすくデリケートなフルーツ。そのため、おいしいびわの基本は採れたてで、新鮮なこと。
- 果実全体的が濃いオレンジ色に染まっている
- 皮にハリがある
- 左右対称にふっくらしている
- うぶ毛が密生している
- 軸がしっかりしている
このようなびわが良品です。鮮度の目安となるものは、なるべく産毛が濃いもの。スーパーで購入した時点で食べ頃のため、すぐに食べきるようにするようにしましょう。
びわが腐るとどうなるの?
びわは長持ちせず、傷みやすいフルーツです。皮の部分が黒ずんでしまっても、果肉が綺麗な状態であればまだ食べることができますが、
- 異臭がする
- 果肉がしなしなになっている
- 全体的に黒ずんでいる
- 変な汁がでている
といった場合は痛みが進んで劣化しているため、食べないようにしましょう。びわはとにかく、購入したらすぐに食べることがポイントです。
びわの保存方法!日持ちはどれくらい?
みずみずしさが魅力のびわは、温暖な地域で育つので低温障害を起こしやすいフルーツです。そのため常温保存が基本となります。
また、りんごやキウイのように追熟はせず、長期間の保存ができないため、収穫したらすぐ食べるのが理想。購入後はできるだけ早め(2~3日以内)に食べるようにしましょう。
冷やして食べたい場合は、食べる数時間前に冷蔵庫に入れてください。冷やしすぎると風味が落ちてしまいます。
また、傷みやすいので強く押したりせず、手に持つときもやさしく触るように注意しましょう。
常温保存 | 約3日 |
冷蔵保存 | 食べる1~2時間前 |
冷凍保存 | 約1か月 |
漬け保存 | 約1週間~1か月 |
常温保存のコツ
保存期間:約3日
乾燥に弱く、水分が蒸発すると皮がしなびてくるため、紙袋に入れたり、新聞紙で優しく包み、直射日光のあたらない風通しがよく涼しい場所で保存しましょう。
買ったその日に食べるのがベストです。遅くても2~3日以内には食べ切るようにしましょう。
冷蔵保存のコツ
保存期間:食べる1~2時間前
びわは低温のもとでは傷みが早くなるフルーツなので、冷蔵保存には向きません。そのため、びわを冷蔵庫に入れるのは、冷やして食べたいという場合だけにしましょう。
ただし、びわは冷やし過ぎると、独特の甘味や香りが損なわれてしまいます。食べる1~2時間前に冷蔵庫に入れ、程よくひんやりと冷やして、びわの繊細な風味を味わってください。
冷凍保存のコツ
保存期間:約1か月
びわをたくさん入手して食べきれないという時は、冷凍保存をしましょう。びわならではの新鮮なみずみずしさや香りは損なわれてしまいますが、1か月ほど保存が可能です。
びわを水でよく洗い、水分をキッチンペーパーでしっかりと拭き取り、びわ同士がつぶれないように、フリーザーバッグなどに入れて冷凍庫へ。
自然解凍してから皮を剥いてそのまま食べることができます。ただし、食感はかなり落ちてしまうため、ヨーグルトに入れたりスムージーなどにして楽しむのがおすすめです。
漬け保存のコツ
保存期間:約1週間~1か月
びわを長期保存させたいときは、砂糖漬けやジャム、コンポートなどに加工するのがおすすめ。加工したびわは、冷蔵庫で1週間程、冷凍すれば1か月ほど日持ちさせることができます。
びわのシロップ漬け
長期保存できるびわのシロップ漬け。レンジで作る簡単なレシピをご紹介します。
用意するもの
- びわ(10個)
- 砂糖(大さじ2)
- レモン果汁(小さじ1)
- 水(びわと同量)
1.びわは半分に切って皮を剥き、種をとる。
2.耐熱容器に砂糖、レモン果汁、水を入れてレンジで温めて溶かす。
3.びわを加えてラップをかけ、さらにレンジで5分温める。
4.ラップを外してよく冷まし、煮沸消毒をした瓶に入れてしっかりと密閉する。
長期保存のコツは、しっかりと冷ましてから密閉容器に入れることと、保存容器をしっかりと煮沸消毒することです。
びわを美味しく食べよう!皮の剥き方やおすすめレシピ紹介
それでは、びわの美味しい食べ方についてご紹介します。びわは何といっても採れたての新鮮なうちに生で食べるのがおすすめ。
食べるときは、ヘタ(軸)を持っておしり側(下)の方から手で皮を剥くと食べやすいです。また、びわは剥いて空気に触れると変色するため、薄い塩水やレモン水につけておくと、色止めすることができます。
たくさん手に入ったら、コンポートやびわ酒にして楽しんでみてください。
びわの皮の剥き方
びわの皮は、ヘタ(軸)がある方からではなく、おしり側(下)の方から剥くと簡単に剥がれます。料理などでたくさん剥いたり、きれいに盛り付けたいときは、
1.おしり側からヘタの方に向かって、種に沿って包丁に十字の切れ込みをいれる。
2.手で簡単に開くので、4つに開いたらスプーンなどで薄皮と種を削るように取り除く。
3.ヘタの部分をスプーンでおさえ、実をひっぱる。
こうするとキレイに4等分できます。2等分にしたいときは半分い切れ込みをいれましょう。ポイントはおしり側に包丁を入れること。
種と薄皮があるため、少し面倒かもしれませんが、慣れるとスルスル剥くことができるので、ぜひ試してみてください。
農薬が気になる方は
びわは皮を剥いて食べるフルーツなので、そこまで心配する必要がありませんが、気になる方は優しく水洗いをしましょう。
びわの皮はとてもやわらかく傷つきやすいため、ごしごしと力を入れて洗わないようにするのがポイントです。
それでも気になる方は、無農薬のものを購入しましょう。
びわといえばコレ!びわコンポート
びわといえばコンポート。少し煮詰めるだけなので、簡単に作ることができます。優しい味わいを楽しみましょう。
用意するもの
- びわ(300g)
- 白ワイン(1/2カップ)
- メープルシロップ(50ml)
- レモン果汁(大さじ1/2)
- 水(100ml)
1.びわを半分に切り、皮や種を取り除く
2.鍋にびわ以外の材料を入れて火にかける
3.沸騰したらびわを加えて、弱火で数分煮詰める
4.粗熱をとり保存容器に入れて完成
煮詰めている間にあくが出たら、取り除きましょう。そのまま食べたりヨーグルトと一緒にいただくのはもちろん、タルトにのせたりゼリーに入れるなど、スイーツの材料として利用することもできます。
びわとアスパラの生ハム巻き
オードブルやワインのおつまみにぴったりなのが、びわの生ハム巻きです。びわの優しい甘さと生ハムの塩気のバランスが良く、いい具合にマッチします。
さらにアスパラも一緒に巻いて、よりリッチな一品に。
- びわ(2個)
- アスパラ(2本)
- 生ハム(8枚)
- バルサミコ酢(適量)
- はちみつ(適量)
1.アスパラは鍋で2分程茹でたら、水にさらして色止めをする。
2.びわの皮を剥き、中の種と薄皮取り除き、4等分にカットする。
3.アスパラとびわを生ハムでまき、お好みでバルサミコ酢とはちみつをまぜたソースをかけて完成。
バルサミコ酢の代わりに、オリーブオイルを垂らしてこしょうをふったり、クリームチーズを一緒に巻いて食べるのもおすすめです。
びわ酒
甘くて美味しいびわですが、足が早く傷みやすいため、大量にあるときはびわ酒にしてみてはいかがでしょうか。フルーティで、びわ独特の香りと風味のあるびわ酒を楽しんでみてください。
- ビワ約500g
- 氷砂糖100g
- ホワイトリカー900ml
1.びわをきれいに洗い、キッチンペーパーなどで水分をよく拭き取る。
2.びわの両端を包丁で切り落とし、約500gになるようにする。
3.保存便をよく洗い、水分をよく拭き取る。
4.びわ→氷砂糖→びわ→氷砂糖の順番に入れていき、最後にホワイトリカーを注いで蓋をしっかり閉め、室内の暗所に置いておく。
びわはなるべく傷んでない物を選びましょう。氷砂糖が溶けるまでは時々瓶を回して混ぜてください。3か月後くらいから飲むことができます。
果実酒のフルーツは空気に触れると変色してしまうので、びわの実は常にお酒に漬かるように注意しましょう。
びわの葉エキス
びわの葉は薬効成分があるとして古くから薬用に利用されています。びわの葉エキスは、傷みや炎症をやわらげる働きが期待されており、色々な活用法があります。
- びわの葉
- 35度以上のアルコール(焼酎、ウォッカ、ホワイトリカーなど)
- 保存容器(瓶)
1.びわの葉は表面に細かい毛があるため、たわしで裏表きれいに洗い、フキンなどで水気をしっかり拭き取る。
2.1枚を4つ位にはさみで切り、瓶の容量の1/3~2/3量ほど詰める。
3.びわの葉が全て漬かるまでアルコールを注ぐ。
4.3か月ほどして、アルコールにびわの葉のエキスが溶け込み、琥珀色になったらできあがり。
びわの葉は2年以上経った、濃い緑色で肉厚の葉を使いましょう。半年から一年ほど経ったら中の葉っぱは取り出し、冷暗所に保存してください。取り出したびわの葉は取り出して布袋に入れ、入浴剤としてお風呂に入れることができます。
できたびわの葉エキスは、そのまま飲んだり湿布にしたり、化粧水などに活用することができます。ただし、びわの葉エキスでかぶれを起こす人もいるため、皮膚に塗るときは事前にパッチテストなどを行うようにしましょう。
薄めて飲む
びわの葉エキス飲むときは、5~6倍に薄めてください。お好みではちみつなどを入れるのもおすすめです。
風邪の予防や、胃腸のもたれ、疲労回復などに効果的です。寒い日などはお湯割りで飲むと体も温まります。
虫刺されや口内炎に
びわの葉エキスには、体全体の腫れや消炎に効果的だと考えられており、虫刺されやすり傷、にきびやかぶれなどの皮膚の炎症や、口内炎などに良いとされています。
びわの葉エキスを3~4倍の水に薄めて患部に塗ったり、うがい薬として利用することができます。
後でご紹介するびわの葉エキスの化粧水も、皮膚の炎症に効果的です。
びわの葉エキスの湿布
びわの葉エキスは、鎮痛作用や殺菌作用などがあり、湿疹や傷などの皮膚のトラブル、腰痛や肩こりなどに効果があるとされています。
湿布として使いたいときは、びわの葉エキスを2~3倍の水に薄めてガーゼに染み込ませて患部にあててください。
湿布の上からホットタオルなどで温めて温湿布するのがおすすめ。冷え症にも効果的です。
びわの葉エキスの化粧水
びわの葉は化粧水にして使うことができます。水で5倍に薄めて、お好みでグリセリンを加えればできあがりです。グリセリンの量は全体の10%を目安にして、好みの濃度に調整してください。
肌トラブルに効果的で、アトピーやシミ、男性の髭剃りあとにも〇。水で薄めているため冷蔵庫で保存し、2週間を目安に使い切りましょう。
まとめ
びわは、フルーツとしては控えめな存在かもしれません。ですが、葉っぱを含め多くの薬効成分があり、薬の王様として古くから多くの人々に利用されてきました。
洋食のデザートや洋菓子にも合い、卵形の愛らしい形とやさしい甘みがほっこりとした気持ちにさせてくれます。
そんな趣のあるびわを、ぜひじっくりと楽しんでみてはいかがでしょうか。