はっさくの酸味とほろ苦さを楽しもう!効能や保存方法!美味しい食べ方紹介

すっきりした酸味にほのかな苦みのはっさくは、日本人好みの味といわれています。

甘いフルーツが主流となっているため、好みが分かれますが、果肉は歯ごたえがあり、食感も楽しむことができるはっさく。

今回は、そんなはっさくについて、栄養や保存方法、美味しい食べ方についてご紹介します。

はっさくってどんなフルーツ?

八朔(はっさく)は、ミカン科ミカン属の柑橘類のひとつです。ぶんたんと他の柑橘類との雑種として生まれた品種で、夏みかんくらいの大きさに、爽やかさとほのかな苦味が特徴的。

名前の由来は、八朔(陰暦の8月1日)頃から食べられたからと伝えられていますが、実際はこの時期にはまだ果実は小さく、熟していないので食べられません。

はっさくがスーパーなどの店頭に出回るのは2月頃から4月下旬頃。12月頃から収穫され、1~2か月ほど冷暗所で熟成させ、酸味を落ち着かせてから出荷されます。

主な産地は西日本各地で、収穫量1位が和歌山県、次いで広島県、愛媛県となっています。

はっさくは日本が原産!?

はっさくは日本原産の柑橘類です。1860年頃、広島県因島田熊町のお寺「恵日山浄土寺」の境内で発見されました。

当時の住職であった小江恵徳が「八朔(陰暦の8月1日)には食べられる」と言ったことから名付けられたというのが定説となっています。

その後、小江恵徳ははっさくの苗木を広めるために試行錯誤をしましたが、当時は夏みかんが流行していたため、はっさくは中々注目されることがなかったようです。

ようやく一般に出回るようになったのは終戦後。はっさくが日本各地に流通するようになるまでには、長い年月が必要だったのです。

はっさくの品種には何がある?枝変わり品種って何?

はっさくには枝変わりの品種として、「紅はっさく」や「早生はっさく」などがあります。枝変わりとは、植物の一部である枝だけが、他とは異なる遺伝形質を示す現象のこと。

例えば、本来なら赤い花が咲く木の中で、1枝だけピンクの花が咲くような状態で、突然変異によって枝や葉が、ほかの部分と違う性質になったもののことをいいます。

紅はっさく(農間紅八朔:のうまべにはっさく)

紅はっさくは1951年(昭和26年)に発見された枝替わり品種。農間寿二氏が、広島県尾道市向島町にある自分の農園において発見し、これを増殖したもの。

普通のはっさくよりも果皮に赤みがかかっており、果汁が多くジューシーで、果肉もぷるっとしています。また、程よい甘みと酸味があり、苦みが控えめなのが特徴的。

正式な品種名は、「農間紅八朔(のうまべにはっさく)」といいますが、一般的には「紅はっさく」という名称で流通しています。

早生八朔(わせはっさく)

早生八朔は普通のはっさくよりも早い時期に収穫される品種で、12月頃から収穫が始まります。

はっさくといえば皮が分厚いイメージがありますが、早生八朔は皮が薄いのが特徴です。皮が薄い分、果肉もびっしり詰まっていて、食べごたえがあります。

甘味は控えめ。爽やかな酸味とプチっとした歯触りを楽しむことができます。

はっさくの栄養や効能は?ダイエットにも役立つ?

はっさくにはさまざまな栄養分が含まれており、健康効果から美容効果まだ幅広い効能があります。

はっさくの代表的な栄養素といえばやはりビタミンC。疲労回復や風邪予防、そして美肌に効果的なビタミンCは、100gあたりに40mg含まれていて、その量はレモンの約半分

はっさく1個(200g前後)食べれば、1日分のビタミンC必要量(100mg)のほとんどを摂取することができます。食べ頃の1~2月頃は、風邪やインフルエンザなどが流行る季節。風邪をひきやすい時期にぜひはっさくを食べて予防しましょう。

また、むくみ解消や代謝アップに役立つカリウムの含有量も多く、100gあたりに180mgも含まれています。

他にも、ビタミンB1、ビタミンB2、クエン酸、アスパラギン酸、クリプトサンキン、カロテン、マグネシウム、カルシウム、葉酸など、多くの栄養素が豊富なはっさく。

食物繊維のペクチンも豊富に含まれているため整腸作用もあり、カロリーも、100gあたり45kcalとヘルシー。ダイエット中の方にもぴったりなフルーツといえます。

はっさくの皮でアンチエイジング

はっさくの皮は「オーラプテン」という香り成分が含まれています。オーラプテンには認知症予防の効果や、体内での活性酸素の生成を抑制し、がん予防などに効能があるとされ、アンチエイジングにも役立つ成分。

香りが良いのでゆずの皮と同じように使うことができます。細切りにしたものを汁物や煮物に散らしたり、すり鉢ですったものを香りづけに利用するなど、ぜひ皮も上手に使ってみてください。お風呂に入れるのもおすすめです。

はっさく特有の苦味成分にも健康効果が!?

はっさくといえば少し苦みがあるのが特徴ですが、これはポリフェノールの一種ナリンギンと呼ばれる成分が含まれているためです。

この成分には、抗酸化作用があるためアンチエイジング効果が期待でき、食欲を抑えたり中性脂肪を分解する作用もあるため、美容やダイエットを気にしている方にもおすすめ。他にも、免疫力を高めたり、動脈硬化や生活習慣病、がんなどの予防に役立ちます。

このナリンギンは、はっさくの果肉外側の袋部分(ジョウノウ)に多く含まれているため、苦手でなければぜひ袋ごと食べてください。

ただし、ナリンギンの結晶は鋭い針状になっているので、はっさくを食べると舌がヒリヒリすることがあります。また、高血圧の治療薬を服用している方は、薬の作用を強めたり副作用を起こす恐れがあるため、必ず医師に相談してから食べるようにしましょう。

美味しいはっさくを選ぶポイント!食べ頃を見極めるには?

はっさくを購入するときは、以下の点に注意して選んでみてください。

  • 皮にハリとツヤがある
  • 色が鮮やかな橙黄色をしている
  • ヘタの部分が緑色
  • ずっしりと重量感があるもの
  • 香りが良いもの

といったはっさくが良品です。皮に茶色い部分が多かったり、皮やヘタがしなびていたり、持った時に軽いものは鮮度が落ちているので避けましょう。

また、香りも重要です。さわやかな甘い良い香りがするかどうかも確認してください。

はっさくが腐るとどうなるの?

はっさくは鮮度が落ちてくると、皮も実も水分がなくなってくるため、皮にハリが無くなってきます。グレープフルーツなどの柑橘系と同じように、

  • カビが生えている
  • 変な臭いや味がする
  • 全体の果肉の水分が抜けシワシワになっている
  • 皮が茶色に変色している

このような状態のはっさくは、腐っている可能性が高いため食べるのはやめましょう。水分が抜けても食味が落ちるだけで食べることができるものもありますが、皮に白や黒いカビが生えていたら食べてはいけません。見えなくても、果肉までカビが生えている可能性があります。

外側は大丈夫でも、切ってみたら中心にカビが生えていたという場合もあります。

食べられるかわからないときは、一度はっさくをカットして、果肉の水分がスカスカに抜けていたり、果肉がシワシワになっていないか、少しでも異臭はないか、果肉の状態を十分に確認するようにしましょう。

はっさくは追熟させてから食べる?

はっさくは、収穫したばかりのものは酸味が強く、その酸っぱさだけが際立った味になっています。そのため、通常は収穫してから1~2か月貯蔵して、酸味を落ち着かせてから出荷されるため、収穫時期と旬の時期にずれがあるのです。

このように、一度収穫したものを貯蔵して、食べごろになるまで待つことを追熟といいます。はっさく以外には、キウイやメロン、バナナなども追熟させてから出荷されているフルーツです。

追熟は温度管理がとても大切なため、適切な環境で管理し、食べ頃になったものが店頭に並びます。

そのため、自宅にはっさくの木がある、知人に採りたてのはっさくをいただいた、などの場合は、新聞紙などを敷いた箱にに入れ、蓋を開けた状態で、涼しくて風通しがよく、日の当たらない場所に1か月ほど置いておきましょう。

もちろんすぐに食べてもいいですが、追熟したほうが甘味のあるはっさくを楽しむことができます。甘味のあるはっさくが好きな方は、参考にしてみてください。

はっさくの保存方法!日持ちはどれくらい?

はっさくは比較的日持ちするフルーツです。高温と乾燥に弱いため、日光の当たらない冷暗所で保存するか、気温が高い時期は冷蔵保存するのがおすすめです。

常温保存 約2~3週間
冷蔵保存 約2~3週間
冷凍保存 約1か月
漬け保存 約3か月

常温保存のコツ

保存期間:約2~3週間

はっさくは基本的に常温保存でOKです。そこまで気を遣う必要もありませんが、暖房の当たらない涼しい場所、直射日光があたらない場所に保管するようにしてください。

酸っぱいときは、何日か置いてからの方が甘くなる場合があります。

また、自家栽培などで収穫したばかりのはっさくの場合は、1か月ほど追熟させましょう。酸味が抑えられ、甘味のあるはっさくになります。

冷蔵保存のコツ

保存期間:約2~3週間

気温が高い時期は、冷蔵庫で保存するようにしましょう。乾燥に弱く、痛みが早まってしまうため、ラップに包んだり、ビニール袋に入れて、冷蔵庫の野菜室に保存するようにしてください。

冷凍保存のコツ

保存期間:約1か月

はっさくを冷凍保存する場合は、皮と実の薄皮を剥いて果実を取り出し、フリーザーバックなどに入れて保存してください。1か月ほど冷凍保存ができますが、冷凍すると甘みが弱くなり苦味が増します。

食べる時は完全に解凍すると水分が出て食感がよくないので、半解凍で食べるのがおすすめです。そのまま食べてもいいですが、ヨーグルトに乗せたり、アイスに混ぜて食べるのも美味しいです。

漬け保存のコツ

保存期間:約3か月

大量のはっさくがあるときなどは、シロップ漬けやジャムなどにして保存すると長く楽しむことができます。ここでは、簡単なはっさくのシロップ漬けをご紹介します。

用意するもの

  • はっさく(5玉)
  • グラニュー糖(皮を剥いたはっさくの半分の量)
  • 水(500cc)

1.はっさくの外側の皮を剥き、薄皮も外して実を取り出し、煮沸消毒した密閉容器に入れる。

2.はっさくの実の重さを量り、その半分の量のグラニュー糖と水を鍋に入れて沸騰させる。

3.砂糖が溶けたら火を止め、シロップが熱いうちに容器に入ったはっさくに回しかける。

4.粗熱が取れたら密閉して冷蔵庫で保存し、1日経ったら完成。

冷蔵保存で3か月ほど保存可能です。すっぱいはっさくが苦手な方でも、シロップ漬けなら美味しく食べれることも。食後のデザートやお弁当に入れたり、ヨーグルトと一緒に食べるのがおすすめです。

はっさくを美味しく食べよう!おすすめの食べ方や意外な食べ方紹介

はっさくは皮が厚く、薄皮(じょうのう)も剥いて食べます。少し面倒ですが、外側の皮は、ナイフで少し切り込みを入れてからむくとやりやすいです。

基本的には生食がおすすめですが、量が多いときはジャムを作ったり、はっさく酒を作って楽しんでみるのも。酸味が苦手なかたは、はちみつや砂糖をかけたり、ブランデーかワインを1~2滴振りかけると酸味がやわらぎ食べやすくなります。

ここでははっさくの食べ方やレシピをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

農薬が気になる方は

はっさくは皮が厚く、外側も内側の薄皮も剥いて食べることがほとんどなので、あまり農薬の心配をする必要はありません。

気になる方は流水でよくこすり洗いをしてから使いましょう。

ただし、はっさくの皮も使うときは、お湯を使って洗うとワックスもしっかりとれて安心です。ボールに50℃のお湯を注いでそこにはっさくを入れ、手で表面を優しくこすります。そのあと冷水で洗い流し、軽く拭けばOK。

それでも心配な方は、ノーワックスのものや無農薬のはっさく、自家栽培のものを使いましょう。

はっさくのペンネ

ペンネとはっさくの意外な組み合わせですが、すっきりと爽やかでクセになる味です。

用意するもの

  • はっさく(1/2個)
  • にんにく(1かけ)
  • 唐辛子(1本)
  • 塩(小さじ1/4)
  • ペンネ(50g)
  • オリーブオイル(大さじ1/2)

1.はっさくは皮と薄皮を剥いて実を取り出し、実をほぐす。

2.にんにくは細切りにとうがらしは半分に割り、ペンネは袋の指示通りゆでる。

3.オリーブオイルを熱してにんにくと唐辛子をいため、香りがたったら油に塩を加える。

4.ペンネを入れて全体に混ぜ合わせ、はっさくを入れてひとまぜしたら火を止める。

お好みで黒こしょうをふってください。シンプルですが酸味の中に旨みが広がる、何ともいえない美味しさを味わってください。

はっさく入りビーンズサラダ

はっさくのほろ苦さや酸味、そしてほのかな甘みはサラダに最適です。

用意するもの

  • はっさく(1/2個)
  • ミックスビーンズ缶(1/2缶50g)
  • 玉ねぎ(1/8個)
  • オリーブオイル(大さじ1/2)
  • レモン果汁(小さじ1/2)
  • しょうゆ(小さじ1/2)

1.はっさくは皮をむいて一口大にほぐし、玉ねぎは薄切りにして水にさらしておく。

2.オリーブオイル、レモン果汁、醤油をボウルに入れて混ぜ、はっさく、ミックスビーンズ、玉ねぎを加えてあえる。

豆苗や大根など、お好みの野菜を入れてアレンジしてみてください。

はっさくゼリー

はっさくの酸味や独特な苦みが苦手な方でも、ゼリーにすれば美味しくて食べやすくなります。

用意するもの

  • はっさく(1個)
  • 砂糖(大さじ3)
  • 粉ゼラチン(4g)
  • 水(200cc)

1.はっさくの皮と薄皮を剥き、食べやすい大きさに入れ、容器に入れる。

2.砂糖、粉ゼラチン、水を鍋に入れて火にかけ、焦げないようにかき混ぜながら加熱する。

3.ゼラチンが溶けて粗熱がとれたら、はっさくの入った容器に注ぎ、冷蔵庫で冷やせばできあがり。

砂糖の量は好みによって調節して下さい。ミントなどを添えるとおもてなしにもぴったりです。

焼きはっさく

フロリダの家庭で一般的に食べられている焼きグレープフルーツをはっさくにアレンジしたレシピです。はっさくもグレープフルーツを同様のほろ苦さが美味しくて、大人なデザートとして食べることができます。ぜひ一度試してみてください。

用意するもの

  • はっさく(1/2個)
  • グラニュー糖(大さじ1~2)
  • バター(適量)

1.はっさくの皮と薄皮を剥いて果肉を取り出し、耐熱容器に並べてグラニュー糖を振りかける。

2.オーブントースターで10分程度焼く。

3.バターをのせてできあがり。

はっさくは皮が厚く薄皮も硬いため、果肉を取り出してグリルしてください。グラニュー糖の代わりにはちみつやメープルシロップ、黒砂糖など、好きな甘味料を使ってください。

シナモンを足したり、大人向けに、ラム酒やウィスキー、ブランデーをほんの少し垂らすのもおすすめ。

はっさくピール

オレンジピールのようにはっさくの皮でもピールを作ることができます。無農薬のはっさくが手に入ったときはぜひ試してみてください。

用意するもの

  • はっさくの皮(8個分)
  • 砂糖(約1kg)

1.はっさくの皮を鍋に入れ、かぶるくらいのひたひたの水を入れて3回茹でこぼす。

2.水に1時間ほどさらしてアクを抜き、ザルにあげて水気をきる。

3.好きな大きさに切り、重さを量って同じ重さの砂糖を用意する。

4.切った皮を鍋に入れ、砂糖の1/3を入れて弱火~中火で20分煮る。

5.もう1/3の砂糖を入れて20分煮て、さらに残りの砂糖を入れて20分煮る。

6.よく冷ましてシロップと皮に分け、皮を網の上に並べて半日ほど干すか、オープンシートを引いた鉄板に並べ100℃のオーブンで30分焼いて冷ます。

苦いのが苦手な方は、茹でこぼしの回数を増やしてください。お好みでグラニュー糖をふりかけるのも〇。ほろ苦い味が後引く大人なピールです。チョコレートでコーティングしてオランジェットのようにするのもおすすめ。

まとめ

いかがでしたか?はっさくはほろ苦い大人向けの柑橘類ですが、栄養も豊富に含まれており、風邪のひきやすい時期に食べるのにぴったり。

爽やかでさっぱりとした風味はサラダや料理にも使いやすく、飽きのこないフルーツ。

はっさくを美味しく食べて、寒い冬を元気に乗り越えましょう。




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